京都の秋、人出が凄まじい
2017年11月24日 金曜日
母校の自治医科大学で年に毎年1回学生に漢方の講義をしていて、教科担当の教授(京都贔屓の関東人)が研究会で関西にちょくちょくいらっしゃいます。クラシック音楽とオーディオファン(友人が回路設計した真空管アンプをご自身で組み立てるほどのマニア)でもあり、私と趣味が合うので時々京都や大阪で演奏会やオーディオ試聴会に御一緒させて頂いているのですが、この先生が京都国立博物館で開催されている国宝展を見に行かれたらしく、雪舟の水墨画など素晴らしかったので是非行ってみたらと勧められました。
スケジュールがいろいろ混んでいて行く機会を逸してしまっていたのですが、平日の午後の閉館2時間前ぐらいならいくら観光客が多い晩秋の京都(晩秋は紅葉、春は桜で人出がピークになる)でもそれなりにゆっくり鑑賞できるだろうと目論んでいました。それで一昨日の水曜日の15時半頃に七条烏丸のバス停からバスに乗りましたが、七条通りを東に向かうだけの真っ直ぐな道なのに渋滞してなかなか進まず、おまけに車内もギュウギュウ状態。ちょっと厭な予感がしてきたのですが・・・やはり。国立博物館入り口に行くと窓口の前に係の女性が2人立っていて「ただいま入館まで20分です。」と窓口の来場者に声をかけています。もしやと思い「中は人で一杯ですか?」と尋ねると、「一杯です。」とのこと。せっかくの国宝や美術品も、人の頭の間から覗き込むような鑑賞では作品の良さが伝わらないと思い、入館はあっさり諦めました。うーん、秋の京都おそるべし。
昨日は勤労感謝の日の祝日で、以前から予定していたびわ湖ホールでの演奏会(オリビエ・メシアン作曲のオペラ「アッシジの聖フランチェスコ」演奏会形式・全曲)を聴きに行きました。びわ湖ホールは琵琶湖の南側の湖畔にあって、ホールのロビーは湖畔に面した側が全面ガラス張りなので湖や湖西・湖東の眺めが美しく心癒やされます。ああ、自分は人混みの中で美術鑑賞するよりも、ちゃんと客席に座っていい音楽・演奏を聴いて、休憩時間はのんびり景色を楽しんだりロビーでグラスワインを楽しんだりするのが性に合っているなあと感じます。演奏会は13時開演で終演が18時半過ぎでしたが、現代音楽の巨匠メシアンの超大編成のオーケストラと声楽のサウンドを堪能しました。東京から関西まで来てくれた読売日本交響楽団と新国立劇場合唱団、びわ湖ホール声楽アンサンブル、ソリストの歌手の皆さん、首席指揮者のシルヴァン・カンブルランさん、素晴らしい演奏を聴かせて頂き有り難うございました。とりわけ打楽器セクションは冴えまくっていましたよ!
以前はメシアンの音楽は前衛的過ぎてあまり親しめませんでしたが、昨年11月京都コンサートホールでの高関健さん指揮の京都市交響楽団の演奏会で「トゥーランガリラ交響曲」を聴いたときに感動して以来、メシアンの音楽に関心を持っていました。京響の定期演奏会にはスケジュールが合えばしょっちゅう聴きに行っていますが本当に素晴らしいオーケストラです。管楽器や打楽器プレーヤーも名手ぞろいですし、こんな第一級オケが地元のホールで毎月の様に聴けるのは本当に幸せです。上述の母校の先生もすっかり京響ファンになってしまって、関西で研究会が無くてもはるばる栃木から京響の定期演奏会にいらっしゃいました。