Q & A 漢方薬を服用される方へ

漢方薬服用のイラスト
一般的には胃が空っぽの時、つまり食前や食間(あるいは眠前)です。漢方薬は自然の生薬からできており構成成分が複雑で、西洋薬に比べると吸収が遅い成分も含まれます。ですから、お腹が空っぽの時に服用するのが基本です。しかし、食間や食前の服用は、食後服用と違って飲み忘れしがちです。もし、飲み忘れたときには飲みとばすよりは食後でも服用した方がいいです。患者様の病状や処方のないようによってはあえて食後に服用して頂く場合もあります。食前、食間の服用で胃もたれする場合は、食後に服用してみて下さい。 

西洋薬のイラスト
西洋薬を服用している患者さんは、診察の際に医師に御相談下さい。大部分のお薬は併用しても問題はありませんが、漢方薬と西洋薬を同時に服用することは避けて1時間以上の間隔をあけるようにして下さい。 

カゼのイラスト
いいえ。普段お飲みになっている漢方薬は、患者さんの普段の状態に合わせて処方されているものです。カゼをひいた時には、患者さんの体の状態が普段と変わっていますので、普段の漢方薬は休止します。カゼが治ってから再開して下さい。カゼ以外でも、急に下痢をしたり、普段とは明らかにことなる急性の症状が現れてきたときにも、普段の漢方薬は休止して下さい。なお、カゼには漢方薬がよく効きます。(抗生物質が必要なカゼはごく少数です。)当院におかかりの患者さんでしたら、診察致しますのでお電話下さい。

胃もたれのイラスト
あります。頻度は多くありませんが、胃もたれや軟便が時々起こります。また、稀にですが肝機能障害や電解質の乱れ(低カリウム血症)が起こることがあります。服用後に浮腫みや便秘、筋力低下、痙攣などの症状が起こってきた場合は、いったん服用を中止して医師に御相談下さい。また、時に眠気を感じる患者さんもいらっしゃいますが、多くの場合は患者さんが普段か知らず知らずのうちに心身の疲労が溜まっているのに日々の緊張や多忙で自覚できず、漢方薬服用によって溜まっている疲労が自然に自覚されるようになるためです。普段より睡眠時間を多く取ることをお勧めします。もし、お仕事や生活に支障がでるような強い眠気の場合には医師に御相談下さい。

煎じ薬のイラスト
それぞれ一長一短があります。煎じ薬は本来の漢方薬のもっとも基本的な服用法で、煎じたての生薬ですから効果が良く、また個々の患者さんの病状に合わせて生薬を一つ一つ選び量も加減できますから、洋服を仕立てるようなオーダーメードの処方をお出しすることが可能です。短所は原則的に毎日1回煎じないといけないことです。(例えば夜に煎じて、煎じ液を夜と翌朝の2回、あるいは3回に分けて服用します。)お仕事などで帰宅が遅い患者さんでは、煎じ薬を続けることはなかなか大変かもしれません。

漢方エキス剤のイラスト
 エキス剤は例えていえばインスタントコーヒーのような顆粒状のものです。工場の大きな器械で煎じて真空乾燥してものを乳糖やトウモロコシ澱粉などに絡めて、顆粒状にしています。手軽にお水で服用できる長所があります。一方で、遺伝的に乳糖を分解する酵素の少ない患者さんでは下痢をすることがあります。最大の短所は、煎じ薬のように患者様の病状に合わせて生薬を加減することが難しい点です。複数のエキス剤を組み合わせたり、調剤薬局で生薬の粉末をブレンドしてもらうことで、ある程度は煎じ薬のようなオーダーメードに近づけることは可能です。

服薬のイラスト
これは個人差があって一概には言えません。カゼの漢方治療の場合ですと数時間もしないうちに効果が現れることもありますが、慢性の病気では時間がかかります。医師の診察の結果、漢方医学的に病状が比較的単純な場合には数日から2週間程度で何か体の変化を感じる患者さんが多いのですが、病状が複雑な患者様の場合には数ヶ月単位で経過を見ていく必要があります。

漢方調剤薬局のイラスト
 エキス剤のみの単純な処方の場合は、大部分の調剤薬局で対応してもらえます。しかし、煎じ薬(生薬)の調剤に対応できる薬局は限られています。また、当院の処方箋の内容はかなり専門的ですので、エキス剤であっても複数のエキス剤をブレンドしたり、さらに生薬末(薬局の粉砕器で生薬をわざわざ粉状にしてもらう場合もあります)をブレンドすることもあります。処方箋に記載された生薬末やエキス製剤を扱っている薬局はごく少数です。調剤薬局を選ぶのは患者さんですが、どこへ行ったらよいかお分かりにならないかもしれませんので、適切に調剤してもらえる薬局を御案内致します。当院の受付担当者にお申し付け下さい。