久々の篆刻
2011年7月1日金曜日
書は小学4年の頃から習っていたのですが、医者になってからプロの篆刻家から「篆刻をやっていないのに、書を習ったとはいえん。」と叱咤され、奮起して7年間に新宿の東急ハンズで篆刻キットを買い求めて、独学で篆刻を始めました。4年前に京都に赴任した頃に知人の中医師(中国の人)に自作の印をプレゼントして以来、4年ぶりの作品です。
石は2、3年前に新京極にあるお店で買っておいたもので2,500円ぐらいでした。龍の彫りもので装飾されていて、なにより後側のモスグリーンと前側のエンジ色と乳白色が混ざり合うような紋様が美しい石です。
実は久しぶりに鑿(のみ)を執ったのには訳があったのです。京都府保健事業協同組合(舌を噛みそうですが・・・)といううちのクリニックが加盟している団体があって、毎月会報を発行しています。その10月号の表紙に僕の書を載せてくれることになったのです。(すでに記憶は飛んでいたのですが、入会申込書の趣味欄に書、篆刻と書いてあったそうです・・・)
書を完成する前に、まだ作ってなかった雅号印を作らないとと考えましたが、 そもそも本名だけで十分で雅号など分不相応だと思っていましたので、 雅号は持っていません。それで、それに代わる何か良い語句はないかと思案すること約一時間。
「洛葫(ラッコ)」に決定!洛は京の都のことです。葫は葫蘆(ころ)即ち瓢箪(ひょうたん)のことです。ひょうたんは昔の中国では医院の入口に掲げられて、診察をしていますよというサインあるいは看板の意味があったのです。京の都で漢方医をしていますよという意味で洛葫です。発音も動物のラッコみたいで可愛いなあと自画自賛。
【左写真】上の白文印(文字が白)は7年前に彫ったた本名印、下の朱文印(文字が赤)が今回彫った 洛葫です。書作品の後に、このように2つセットで押印します。落款(らっかん)あるいは落成款識(らくせいかんしき)と言います。
石の背面に 洛葫の意味と制作年月日を彫り込んでおきました。(右写真)本当は側面に彫り込むものだそうですが、側面の石の紋様がグリーンとエンジ色のグラデーションになっていてとても美しいので、もったいなくて背面に彫りました。
印が完成したので、休日に書の練習をして8月の締め切りまでに仕上げようと思います。