クリスマス飾りと漢方の意外な接点
2014年11月22日 土曜日
今週末は京都市内は紅葉の盛りで、いつも以上に京都駅周辺は大勢の観光客で賑わっていました。駅正面のタクシー乗り場は長蛇の列。(紅葉に辿り着くまでに待ちくたびれてしまいそう・・・)
少し早いかなと思ったのですが診療所の待合に今年もクリスマス飾りをしました。年ごとに一年が短く感じられる今日この頃です。
去年の秋にドイツを旅してリースリング種の白ワインの名産地リューデスハイム(Rüdesheim)を訪れた際に、ロープウェー乗り場横のお店で素敵なクリスマスの置物を見つけました。クリスマスには受付カウンターに飾ることにしました。(両側にロウソク立てがあるのですが、さすがに医療機関内でロウソクを灯すのは御法度。)
(ドイツには木の素材を活かした素朴で可愛らしい置物や玩具がいろいろ売られていています。こんなドイツ人の感性大好きです。)
この置物はキリストの誕生の場面をかたどっていますが、左から手前に両手で壺を持った三人の人がいます。この人たちは東方の三博士とか、東方の三賢者と呼ばれていて、イエスの誕生を祝ってある贈り物を届けに来たと伝えられています。その贈り物は一つは黄金、あと二つはなんと漢方薬でも使われる2つの香料でした。一つは乳香(にゅうこう)、もう一つは没薬(もつやく)と言います。どちらも西南アジアや中近東原産の樹木の樹液を乾燥して固めたものです。当時大変貴重な香料で儀式や魔除けとして使われてきた物らしいですが、漢方(中医学)では非常に優れた活血止痛作用を有するお薬でもあります。瘀血(血の鬱滞)による難治性の疼痛の治療に用いられるもので、当院を受診している慢性の関節痛や神経痛などの患者さんも何人か服用しています。意外にもキリストの誕生と漢方薬に接点があるんですね。漢方を専門にしている当院のクリスマスにぴったりの置物になっています。