京都・漢方専門クリニック 

【健康保険適応】 

 診察予約 075−352−3737


当院は中医学を専門とする日本人の漢方専門医が保険診療を行っています。

ピアノは光を奏でる・・・

スライド1.jpg

2011年1月3日月曜日

スライド1.jpg 音は空気の振動が耳から入ってくるものなのに、心に光を感じる素晴らしいピアノの名曲名演奏を御紹介します。

一つはフジコ・ヘミングの弾くドビュッシーの「月の光」。月光は太陽と違って直接光ではなくて、穏やかな間接光です。漢方的に表現すれば陽光に対して陰光とでも言えるかもしれません。陽光は全てをあるがままに明らかに照らし出しますが、陰光は表には現れていない潜在する本質を浮かび上がらせるように思います。スライド2.jpg漢方の望診の仕方で、診察室の灯りを落として薄暗くして、患者さんの顔色を診る方法があります。明るいと見えない変化が、ボーッと浮かび上がることがあるのです。明る過ぎると見えない世界があるのです。そういえば胸部レントゲン写真の微妙な陰影を診断するときに、フィルムの裾を持ってシャーカステンの白色光から離して、斜め方向から見るということを、放射線科や呼吸器科の医師は時々やっています。ちょっと似てるんじゃないかなと思います。)この演奏はそんな夜のみずみずしい空間を包んで、ひっそりと息づく生き物や木々や水の「命」を照らし出す月の光です。

 もう一つは、グレン・グールドの弾くブラームスのインテルメッツォ(間奏曲)イ長調 作品118-2。これは月の光ではなくて陽の光です。しかしやはり直接光ではなくて、微かな風に揺れる木々の緑の間を通り抜けてきた穏やかな陽の光です。木陰のベンチに座って瞼を閉じて、瞼を撫でる光を感じているかのようです。

 思えば空気の振動に過ぎない音楽が、人の心の中では光という振動との境界が無くなってしまう。物理学では考えられないことが起こるのだなあと思います。真に素晴らしい名曲と演奏は見えない世界を感じさせてくれます。

 一覧

母校が甲子園へ
新年の御挨拶2019
カスレ 〜再チャレンジ〜
バッハとカスレの週末
33年を経て再び
今朝、感じた秋
ディスプレイと「肝」
♪ 就床前の一曲に
京都は洋食が美味しい(2)
1800年前の医師の洞察
完成された昔の技術
機関誌掲載の記事から
新年のご挨拶 2018
京都の居心地が良い理由
京都の秋、人出が凄まじい
新年のご挨拶
処方の美学
コーヒー、それともお茶?
ミュンヘンからの素敵な贈り物
新年の御挨拶 2016
太陽系を実感できる朝
診療所の窓からの眺め
鴨川と高瀬川の散歩
クリスマス飾り
理想の漢方処方
2014年 新年のご挨拶に代えて
研究会のタイトル書
謹賀新年2013
アップルパイ
ホームページを改修しました。
死にたまふ母
秋の薬草園
秋のカゼ 冬のカゼ
思い出を漢詩に
診療後のリセット
秋の味覚で食養生
台風接近!
チャリティーオークションで
沖縄から絵のプレゼント
地蔵とクマゼミ
祇園祭 宵山
漢方から見たチョコレート
久々の篆刻
薬用植物見学
漢方で抗生物質の使用を減らす
研究室の紹介
窓際の六地蔵
春の薬草たち
待合と診察室
効用雑事【復刻版】を掲載しました。
ピアノは光を奏でる・・・
新年のご挨拶 2011
花粉症を乗りきる養生法
葛根湯でカゼを治すコツ
クリスマスによせて