鴨川と高瀬川の散歩
2015年7月4日 土曜日
今日はこのページを見て下さった方のために、観光客としてではなく、京都で暮らす人の目線からのお勧め散歩コースをご紹介したいと思います。
京都という町は実にいろんな魅力があって住んでいて飽きることがありませんが、京都で暮らす魅力の一つは街と自然が融け合っていることだと思います。鴨川は市街地を南北に貫くように流れていますが、その河川敷は歩道や公園が整備されていて、市街地から一歩踏み入れるとほっとするような空間が広がっています。個人的には出町柳の鴨川合流点〜二条大橋の散歩がお勧めです。(ここより南は昔刑場があった場所に近く、川床料亭の客からチラチラ見おろされたり、その川床の鉄骨の柱が殺風景なので、自ずと足が遠のいてしまいます。)
出町柳の鴨川の合流地点〔クリックで拡大〕診療が終わった天気の良い日の夕方、当院から七条京阪駅まで東に15分近く歩いて、そこから京阪電車で終点の出町柳まで行きます。出町柳駅を出た西側に、ちょうど賀茂川と高野川が合流して鴨川になる場所があります。(写真の右側が賀茂川、左側が高野川。正面に賀茂大橋、右手遠くに京都府立医科大学病院の建物が見えます。)
鷺は魚を探し、鴨はのんびり泳ぎ、市民は思い思いの時を過ごしています。
夏場の散歩のお勧め時刻は日没前1時間程度、西側の河川敷の歩道を歩くと木々や川沿いの建物が夕日に蔭を作ってくれますから涼しく散歩できます。白鷺が川魚を探して川面を歩いたり眺めたり、鴨は2−3羽一緒に仲良く同じ方向に泳いだりしているのはいつもの光景で、市民はそれぞれ思い思いの時を過ごしています。
大学のサークルとおぼしき学生さんたちがクラリネットやヴァイオリンやサクソフォンなどの練習をする音が聞こえてきます。モーツァルトやワーグナーの旋律が聞こえてきても、それが不思議と鴨川のまったりとした時間の流れに融け合っています。サッカーの練習をする子供達や学生さん、自転車を止めて河原で寝そべってのんびり空を眺めている人、スローなサイクリングを楽しむ人・・・
人も鷺も鴨も上下なく水平な時間と空間を共有していて、こういう世界を平和というのかもしれないと感じます。
二条大橋辺りから見た鴨川上流。写真左はリッツカールトン京都
私の鴨川散歩コースは二条大橋の袂のリッツカールトン京都まで。昨年2月にこのホテルが建ちました。一流ホテルですが建物が和風でけばけばしくないので鴨川の雰囲気によく合っています。この建物のおかげで二条大橋の北側のお気に入り散歩コースには川床は進出してこないだろうな、と内心嬉しく思っています。
リッツカールトンの玄関入り口前に通じる階段を登って、鴨川沿いから二条通に上がり、すぐ手前左に折れて木屋町通りに入ります。(木屋町通りも御池通より北側がいちばん風情があって素敵です。)
高瀬川の一之船入
木屋町通りに沿って流れる高瀬川は、鴨川とは全く趣を異にする風情を楽しませてくれます。ここは昔から高瀬舟が行き来して伏見から米や酒などの物資をこの都の中心地まで運ぶ水運の要衝だった場所です。
写真は「一之船入」という再建されて現存する唯一の船着き場で、高瀬舟も再建されています。
この写真には写っていませんが、すぐ右側に日本銀行京都支店があります。この辺りは昔も今も京の都の政治経済の中心です。
高瀬川沿いに咲く紫陽花
高瀬川沿いには紫陽花が植えられていて、高瀬川の清らかなせせらぎによく映えます。ここの地区の方々が手入れをしているそうで、京都の町が美しくあり続けられるのも京都の人の手が掛けられているからなのだなと感心させられます。
京都を散策する機会がありましたら、天気の良い日の夕方、のんびり散策してみて下さい。散策の後お腹が空いたら、ここら辺にはリーゾナブルな料金の素敵なお店もたくさんありますから。それも京都の町の別の楽しみです。