京都・漢方専門クリニック 

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花粉症を乗りきる養生法

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2010年12月30日木曜日

スライド1.jpg2011年はスギ花粉の記録的な飛散が予想されています。“疾患別”のページで花粉症の漢方治療について解説してあります。そこで解説した花粉症の漢方治療にとって重要な3つのポイントは以下の通りです。

 (1)気の上昇を防ぐこと
 (2)体内の痰飲を除くこと
 (3)収斂性を高めること

 実は私も学生時代から花粉症があって、以下の養生を実践しています。ここではおすすめの花粉症の養生方についてこの3つのポイントに沿ってお話ししましょう。

(1)気の上昇を防ぐために

 【実践1】 夜更かしをしない
 遅くても夜11時までには床について下さい。なかなか寝付けない人は、部屋を暗くして、テレビや本を見ないようにします。深夜に目と脳を酷使することで、陰血を消耗するため相対的に陽気が亢進して気の上昇の素因を作ってしまいます。

 【実践2】コーヒー、チョコレートを避ける
スライド2.jpg 意外と思われるかもしれませんが、コーヒーとチョコレートは気を上昇させる性質を持っています。ちなみに、モーニングコーヒーは朝の気を上昇させることで身体をシャキッとする効果があるのですが、この時期の花粉症の人にとっては逆効果なのです。小さい子供(小児は元気でじっとしていないものですが、これは子供とは陽>陰だからです。)はチョコレートを食べると鼻血を出しますが、これはもともと陽気盛んな子供に過剰な陽気の上昇を惹起して、血液が鼻粘膜に上って出血するのです。

(2)体内に痰飲を生じさせないために


【実践3】ビールを飲まない
スライド3.jpg 患者さんの漢方診療を続けて来て分かってきたことなのですが、ビールという飲み物は極めて痰飲を生じやすい飲み物です。欧米のような乾燥した風土では大きな影響は出ないのかもしれませんが、日本のように周囲を海に囲まれた湿気の多い国の風土では痰飲を生じやすくなります。(ちなみにアトピーや乾癬といったような皮膚疾患の患者さんもビールは悪化要因になります。)アルコール類の中では焼酎や泡盛のような蒸留酒の湯割り、辛口(糖度の少ない)の赤ワインは比較的影響は小さいようです。

 【実践4】朝食は和食に
スライド4.jpg 最近、若い人だけでなく御高齢の方でもパン、ヨーグルト・牛乳、サラダ(生野菜)、コーヒーのような欧米風の朝食をとる人が多くなっています。これもビールと同じく痰飲の素因を作ります。
 パンは御飯(出来れば玄米や雑穀を混ぜたもの)に、ヨーグルト・牛乳はシラス干しや魚の干物に、サラダは温野菜か漬け物に、コーヒーはお茶と味噌汁に換えることをお勧めします。それぞれに理由があるのですが、話が長くなりますからまたそのうち項をあらためて説明したいと思います。
 もし、パンを買うときには裏面の使用材料のシールを確認して下さい。加工油脂(マーガリンやショートニングなど)が使用されているものはお勧めしません。トランス脂肪酸を含んでいるためアレルギーを助長しますし、動脈硬化を助長することも問題です。

(3)収斂性を高めるために

 【実践5】風呂上がりの水浴び
スライド5.jpg 寒い今の時期に水浴びはちょっと勇気がいりますが、湯船で温まった直後の5秒ほどでいいのです。(直後に皮膚の下から暖かさが上がってきますから、すぐ冷たいのは一瞬で、芯まで冷えてしまうことはありません。)この短時間のヒヤッとした刺激が人体に収斂性を与えるのです。鼻粘膜や涙腺の締まりが弛緩してしまっていると鼻汁や涙が溢れ出ますが、締まっていれば漏れ出ません。これが収斂性の作用です。
  漢方医学の五臓六腑の中で人体の収斂に関わっているのは肺と胆です。短時間、冷たい水で刺激することによって、刺激が皮膚から肺と胆に伝わり、弛緩と収斂のスイッチが活性化します。人体は収斂ばかりでもいけませんし、弛緩ばかりでもいけないのです。日々の生活の中で緩めるべき時に緩め、締めるべき時に締めること。現代人はこのスイッチの切り替えが上手くできなくなってしまっているのです。