京都・漢方専門クリニック 

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当院は中医学を専門とする日本人の漢方専門医が保険診療を行っています。

残尿感

残尿感の漢方治療について概説します。

 男性で残尿感を自覚する場合、前立腺肥大症や慢性前立腺炎が原因の場合があります。女性には前立腺がありませんが、残尿感でお困りの女性は少なくありません。女性のホルモンバランスや自律神経の失調から起こる尿道症候群という病気がありますが、詳しいメカニズムは分かっていないようです。

 高度の前立腺肥大症は手術や内視鏡による治療が必要になることもありますが、比較的軽度の前立腺肥大症による残尿感や慢性前立腺炎は漢方治療を受ける価値があると思います。また、女性の残尿感も漢方治療の適応になります。

 中医学的には尿を蓄える膀胱の役目は、腎気に頼っています。腎気虚なので腎気が衰えると膀胱の収縮が不十分になり残尿感を自覚します。熟地黄、炮附子、山茱萸といった生薬を中心にして腎気を補って治療します。膀胱に湿熱が欝滞していても残尿感が起こります。六一散、五淋散といった処方を中心に治療します。足厥陰肝経という肝の経絡は陰部を巡っていますが、この経絡が冷えたり、気が滞ったりしても残尿感を自覚します。烏薬、小茴香などの生薬を用いて治療します。