舌痛(舌の痛み)
舌痛の漢方医学的な考え方と主な治療方法について概説します。
舌の痛みでお困りの患者さんは意外と多く、しかも長い期間痛みが続くことが少なくありません。アフタというタダレを伴う人もいますが、外見上は異常がなくただ痛むという方もおいでます。時に舌癌のこともありますから、一度お近くの耳鼻科や歯科で診察を受けておくことをお勧めします。
中医学の蔵象学説では舌は五臓(肝・心・脾・肺・腎)の中で「心」との関連が深いのですが、他の臓腑の影響も受けます。舌先が発赤して痛む場合は心火証のことが多く黄連、山梔子、木通、乾地黄といった生薬で治療します。もともと胃腸虚弱で食欲不振の方の舌痛は病態が全く異なり、脾陽虚や陰火という証のことが多く、理中湯や補中益気湯のような脾を強化する漢方薬で治療します。
西洋医学の塗り薬やビタミン剤などで舌痛が改善しない方には、漢方治療をお勧めします。