京都・漢方専門クリニック 

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食欲不振

食欲不振の漢方医学的な病態と治療について概説します。

A307_084.jpg 食事を摂って栄養分を吸収するという役割を果たす臓腑は胃・脾・小腸です。このうち小腸の働きは脾気に依存していますから、実質的に胃と脾が中心です。「食べたい」という気を起こすのは胃気が充実している証拠です。胃気が弱ると「食べたくない」とか「食べないといけないと思って食べる」というふうになります。これを胃気虚といいます。

A307_088.jpg 一方、食べてもすぐお腹がいっぱいになってしまうとか、いくら食べても太らないといった症状は脾気虚が中心です。脾胃は表裏関係にある臓腑で関連が強いため、程度の差こそあれ、胃気虚と脾気虚は併存している場合が多いのです。

 このような脾胃の気虚による食欲不振には、四君子湯や六君子湯といった処方を中心に治療します。脾胃が冷えて弱っている陽虚証の患者さんには理中湯や附子理中湯で治療します。脾気や胃気はあまり虚していないのに食欲がない場合もあります。いわゆるストレス性胃腸障害の患者さんは肝気犯胃という病態で、ストレスからくる気の欝滞を改善させ胃の働きを回復させる必要があります。逍遥散などで治療します。胃に食物の停滞を起こして食欲が低下している患者さんには、保和丸や焦三仙などで治療します。