京都・漢方専門クリニック 

【健康保険適応】 

 診察予約 075−352−3737


当院は中医学を専門とする日本人の漢方専門医が保険診療を行っています。

青あざ(紫斑)

青あざや皮下出血の漢方医学的な病態と治療について概説します。

 青あざのことを紫斑(しはん)といいます。細い血管から皮膚の中に血液が漏れだすとこのような色になります。強く体を打ち付けたら誰でも紫斑はできますが、血小板が減る病気(特発性血小板減少性紫斑病、白血病など)やアレルギーによる血管障害(アレルギー性紫斑病など)では外傷がなくても紫斑ができます。

 中医学の観点からは幾つかの病態が考えられます。一つは脾不統血という病態で、五臓(肝心脾肺腎)のうち脾の統血(脈中に血を固摂すること)作用が低下するために紫斑が生じます。治法は益気統血で帰脾湯などの漢方薬を中心として艾葉や阿膠などの生薬で止血効果を高めます。また、迫血妄行という病態もあります。これは血熱(血分に邪熱が及んだ状態)によって細血脈中の血流が過度に速くなって漏れ出すものです。治法は涼血止血で犀角地黄湯などの漢方薬で治療します。犀角(サイの角)はワシントン条約で現在入手できませんから、他の生薬で代用します。

 出血症状の改善だけでなく血小板数も増えてくる患者さんもいらっしゃいますので、漢方治療は治療の選択肢の一つになります。