京都・漢方専門クリニック 

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かすみ目(霞目)

白内障などの症状の一つであるかすみ目の漢方医学的な病態と治療について概説します。

A306_063.jpgの前に、若い人のかすみ目、特に進行性のかすみ目は眼科的に重大な病気が隠れていることがありますので、先ず眼科専門医を受診して下さい。眼科的に特に異常がなくても眼精疲労や加齢によってかすみ目を自覚することがあります。

 中医学の臓象学説では「肝は目に開竅(かいきょう)する」と言います。五臓(肝心脾肺腎)のうち肝の働きが目に現れるという意味です。特に肝血虚という状態では、目の滋養が足りなくなりかすみ目、眼精疲労、眼の奥の痛みといった症状を起こします。肝血虚は深夜の目の酷使(深夜のテレビやパソコン)や頭脳労働(深夜の勉強、読書)が原因となることが多いのです。早寝早起きの習慣は肝血虚の養生の基本です。漢方治療では杞菊地黄丸や駐景丸といった肝血を補填する処方を中心します。霧がかかったようにかすむ症状を翳障(えいしょう)といい、蝉退など退翳作用を有する生薬を配伍します。肝腎の不足が背景にあるので即効性は期待できません。長期服用して徐々に改善するか、あるいは進行を防ぐことを目指します。