京都・漢方専門クリニック 

【健康保険適応】 

 診察予約 075−352−3737


当院は中医学を専門とする日本人の漢方専門医が保険診療を行っています。

目の痒み

花粉症などによる目の痒みの漢方治療について概説します。

A306_064.jpg 目の結膜(白目の部分)の痒みは花粉症やハウスダストによるアレルギー性結膜炎が代表的です。酷くなると充血して目が赤くなることがあります。眼科的にはアレルギーを抑える点眼薬が処方されることが多いと思います。

 中医学の観点からすると、目の痒みは風熱上犯の証が多く見られます。風熱とは風邪(ふうじゃ)と熱邪(ねつじゃ)という二つの陽性邪気が結びついた複合邪気であり、体上部(頭面部)を犯しやすいため花粉症は目と鼻に症状が集中するのです。風熱邪気は春先に日が長くなって気温が上がり始める立春の頃から、人体に影響し始めます。ちょうどスギ花粉が飛散し始める時期に一致します。中医学的にはスギ花粉やヒノキ花粉は風熱そのものなのです。

 治療は去風清熱止痒です。風邪を去って、熱邪を清し(冷ますの意味)痒みを鎮めます。決明子、薄荷、蝉退、夏枯草といった生薬を中心に、その人の証に応じて処方します。夜更かしをしたり、コーヒーを飲んでいると気の上昇傾向が強まりますから、症状が強くなってしまいます。早寝を心がけ、気を下降させ清熱させる作用のある緑茶(煎茶や抹茶)に変えると、症状緩和の一助となります。