京都・漢方専門クリニック 

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当院は中医学を専門とする日本人の漢方専門医が保険診療を行っています。

口臭

体質別に口臭の漢方治療について概説します。

 口臭の原因は様々です。歯周病のような口腔内の病でも起こりますが、これは原因が分かりやすいので、歯医者さんで治療してもらえます。また、実は口ではなく呼気が臭い場合も多く、例えば蓄膿症や慢性気管支炎、慢性の肝臓病などでは呼気の臭いがきつい場合があります。原疾患の治療が重要であることは言うまでもありません。

 俗に口臭がするのは胃が悪いと言われますが、西洋医学的には普通は胃の入り口の噴門(ふんもん)はキュッと締まっているので胃内の臭いが口に出ることはゲップをしない限りありません。ところが、漢方的には「胃が悪い」は正しいのです。正確に言うと、「胃が悪い」患者さんもいるということです。どういう場合に胃が悪くて口臭が起こるのでしょうか。一つは胃の湿熱証の方です。普段からアルコール、脂っこいもの、味の濃いものを過食している人に多く見られます。

 もうひとつは胃の食積の方です。多くは暴飲暴食、深夜の過食の習慣がある人です。食積とは消化しきれずに長時間胃腸に停滞している食物残渣のことを指します。これらの患者さんには蒼朮、藿香(かっこう)、縮砂のような芳香性の高い生薬で口臭の原因となる胃中の濁を除きながら、他の生薬を適切に配して湿熱や食積を改善するようにします。また、口臭に便秘を伴っている患者さんが少なくなく、この場合は大腸の欝滞にも漢方的に対応する必要があります。