京都・漢方専門クリニック 

【健康保険適応】 

 診察予約 075−352−3737


当院は中医学を専門とする日本人の漢方専門医が保険診療を行っています。

咳(せき)

慢性気管支炎や喘息などのしつこい咳の漢方医学的な病態と治療について概説します。

A306_011.jpg 咳は気管支に分布する神経が炎症や痰や腫瘍に刺激されて反射的に起こるものです。本来はこれらの異物を痰と一緒に吐き出して気道を清浄にしようという生体の反応です。しかし、咳が続くと言うことはなんらかの病気の原因が肺、或いは他の部分にあるということを示しています。

 西洋医学の観点から、咳が一ヶ月以上続くときには、特殊な細菌感染(百日咳、マイコプラズマ、肺結核など)や肺癌のチェックが必要です。百日咳とマイコプラズマは適切な抗生物質を正しく服用すれば治りますから、それでもまだ咳が続くときには胸部レントゲン写真検査が必要になります。

 中医学の観点からも、咳は実に様々な病態で起こってきますので一概には言えません。しつこい痰を伴っている場合は、気管支や副鼻腔に慢性の炎症が続いている場合が多く、痰を除き肺気を鎮める漢方薬、例えば貝母栝楼散、清肺湯、辛夷清肺湯などで治療します。痰を伴わず常に咽が乾いて咳き込む場合は、肺陰虚という肺が潤いを失った状態で、陳旧性肺結核、間質性肺炎、肺気腫などの病気の患者さんによくみられます。治法は滋陰潤肺で麦門冬湯、百合固金湯、滋陰降火湯、滋陰至宝湯などの漢方薬で治療します。

 咳の病態は多彩ですが、漢方治療は咳喘息や長引く咳に大変有効な場合が多いですので、漢方専門医に御相談下さい。