肩関節痛(肩の痛み)
肩の痛みの漢方医学的によくみられる病態と治療について概説します。
身体の他の関節と異なり、肩関節には大きな特徴があります。腕は前後上下左右あらゆる方向に動かすことができますが、これが肩関節の特徴です。しかし、五十肩のように肩が固まって上がらなくなることがあります。
漢方的には肩関節は冷え(寒邪)と湿気(湿邪)に弱い部位です。寝冷えをしたり、長時間クーラーにあたったりしていて肩が痛みだすということも少なくありません。肩の経絡(けいらく)を温めて寒湿邪気を除く漢方薬を処方します。附子、桂皮、羌活、防風などの生薬を中心に処方します。瘀血(血の停滞)や気滞(気の停滞)を伴っている場合は、さらに姜黄、莪朮、紅花などの生薬を配合して治療します。一口に肩といっても痛みの部位によって痛んでいる経絡が人によって異なりますから、それに応じて生薬を選択し処方します。