京都・漢方専門クリニック 

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当院は中医学を専門とする日本人の漢方専門医が保険診療を行っています。

シェーグレン症候群

 シェーグレン症候群は唾液分泌や涙液分泌が減少するために、口内の乾き目の乾燥(ドライアイ)を自覚する膠原病の一種です。リウマチや全身性エリテマトーデスなど他の膠原病を合併することもあります。唾液分泌が減るので、パンやクッキーは飲み物なしではパサパサして噛んだり飲み込んだりしにくくなります。味覚異常を伴うこともあります。また、歯が乾燥するので虫歯ができやすくなります。涙液分泌が減りますから、目は常に乾燥した状態になって、目のゴロゴロ感や痛みを感じます。酷くなると角膜が傷ついて視力障害を起こすこともあります。西洋医学的な治療は対症療法しかなく、人工涙液の点眼や人工唾液の口腔内スプレー噴霧が行われています。

 むしろこの病気は漢方治療が根本治療に近いのです。シェーグレン症候群の多くは陰虚証といわれる状態で、臓腑を中心とした津液(しんえき)の欠乏状態があります。津液とは中医学の専門用語で、人体の生理的な水分のことで滋潤の働きがあります。麦門冬、干地黄、玄参、葛根などの生薬でこの津液を補充する方法(滋陰潤燥法)を用います。しかし、より根本的には、このような陰虚体質が生じる個々の患者さんの問題点を中医学的にもう一層深く検討し、より本質的な個別的漢方治療を考えていきます。