京都・漢方専門クリニック 

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当院は中医学を専門とする日本人の漢方専門医が保険診療を行っています。

慢性肝炎・肝硬変

 慢性肝炎の原因と治療、漢方治療の意義などについて概説します。

 日本で慢性肝炎の多くはウイルスによるものです。ウイルス以外ではアルコール性、薬剤性(薬の副作用)や最近問題になっている非アルコール性脂肪肝炎があります。いずれにせよ、慢性肝炎を放置していると肝硬変や肝臓癌になる危険性があります。頻度的に多いウイルス性の慢性肝炎ではC型肝炎ウイルスとB型肝炎ウイルスの二つが重要です。しかし、最近はインターフェロンやリバビリンによる抗ウイルス療法が進歩してきたおかげで、一部の患者さんではウイルスが消失して完治したり、完治とまでは行かなくても肝機能を安定させて肝硬変や肝臓癌への進展を抑えることが可能になってきています。従来インターフェロン療法には高額の医療費がかかり患者さんの負担になっていましたが、現在では行程医療助成制度があり都道府県が窓口になっています。このような現代医学の発展の恩恵は受けるべきです。

 これらの現代医学的な治療で効果が充分上げられない場合、あるいは副作用で治療を継続できない場合などは漢方治療の適応になると考えています。また、慢性肝炎に伴う諸症状(倦怠感、食欲不振、イライラなど)の改善を目的として漢方薬を併用することもあります。

 現代医学における肝臓と中医学(漢方医学)における肝とは必ずしも同じではありません。患者さんによって証は様々です。肝経湿熱証のように漢方的な肝に問題がある場合もあれば、脾虚寒湿証のように漢方的な肝以外が主病態のこともあります。証によって茵陳蒿湯、竜胆潟肝湯、茵陳朮附湯、補中益気湯などの漢方処方を中心に処方します。肝臓の繊維化がある場合は鼈甲、牡蛎、玄参などを併用します。